縫製産業が熱い カンボジア

 

 現在 カンボジアでの主要産業は農業、漁業、林業の第一次産業が中心ですが、近年、観光業や縫製産業による発展がGDPの成長率を後押していて、リーマンショックによる世界的な経済危機の影響を受け2009年のGDPの成長率が0.1%にまで落ち込みながらも翌年の2010年にはほぼ一昨年の水準まで成長率をV字回復させ2014年現在は7.24%まで上昇し近隣の東南アジア諸国に比べるとダントツのGDP成長率になってます。

 ちなみにV字回復時の牽引役は、縫製業の輸出、観光業などであり、特に縫製業の輸出が大きく貢献しています。また縫製業が占める製造業全体においてのマーケットシェアはおよそ60%で、ここ数年で外国からの直接投資やアパレルブランドの縫製工場の移設が増え成長に拍車をかけています。

 そもそも縫製業がカンボジア最大の製造業に成長した理由は、1996 年にアメリカ及びヨーロッパから一般特恵関税制度・最恵国待遇を受けた事に起因します。関税の免除、または低関税の適用により海外からの投資が増え、縫製工場の設立が相次いだためです。カンボジア国内では縫製の原材料を調達することが困難なため海外から原材料を調達し、製品の生産、輸出を行う事で継続的に輸出の成長を維持してきました。ちなみに輸出額の80〜70%は縫製業でもはや国内の製造業だけでなく輸出業でも牽引役となっています。

 また海外投資が加速しているもう一つの理由として安価で調達できる労働力が上げられます。カンボジアでの最低月額賃金は80ドル程度。これはタイの平均の月額給与の3分の一の水準で戦略的にコストを下げようとする企業の進出が目立ちます。

 ユニクロがすでにカンボジアに工場を設立したように、安価な労働力と最恵国待遇制度の下での関税制度に魅力を感じている世界のアパレルメーカーが積極的に投資を行いカンボジアが被服工場のハブとなる可能性が高いです。

 その関連でこちらカンボジアでは工業用のミシンの需要が非常に高く、プノンペン市内ではミシン専門の小売店がしのぎを削っています。なかでも日本の中古ミシンは非常に人気で他国の製品を差し置いてあっという間に売れるそうです。これからさらに需要が高くなる縫製産業にあわせて中古ミシンの販売に着手されてみてはいかがでしょうか