借金の担保に4歳の女児が2年間南京錠で拘束される。

  プノンペンポストによると、7日ケマラックプミン県(khemarak pumin タイランド湾に面する海沿いの街)のカンボジアタウン近くの村にあるあばら屋で、通報を受けた警察があばら屋の支柱に足をチェーンで巻き付けられ南京錠で拘束されている4歳女児を発見し保護、また4歳の女児を母親の借金の担保に2年間 一日約8時間拘束したとして、母親に金を貸しつけていた女を逮捕したが、警察は女の貧しい家庭環境と置かれている立場には情状酌量の余地があるとして罪には問わず釈放する構え。

  コーコン警察人権及び青少年保護対策本部、スレイ・トーチ本部長によると女は非常に貧しい家庭環境で借金の担保として預かっている女児の面倒を見ていくためには他に方法がなかったとしている。

 また女児は警察に長時間の拘束でたびたびのどが乾き、耐えられずに尿を飲んだと話している。

 現在女児は児童福祉施設で手当を受けている。

女は警察の取り調べに対し、女児の母親に金を貸しその担保として女児を預かったが、日中に仕事をこなさなければならず、面倒を見切れなくなり、女児が逃走する事を防ぐためやむなく鎖で女児の足をつないだと話している。

 

女はあばら屋からおよそ800メートル離れた栽培施設で働いていており、女児を拘束した時間は午前7時から午前11時までの4時間と午後1時から午後5時までの4時間の計8時間だった。

 

村に住むケオ・チョーンさん60歳は警察に二度とこのようなことが起こらないように警戒を呼びかけた。取材に対し「とても心が痛む。とても残念な気持ちだと」話している。

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カンボジアでは貧しい村や農村では未だに子供の身売りの話がもちかけられ、生活に困窮している子供の親は、お金が手に入り自分の子供が多少ましな生活ができる事を期待して子供を身売り業者に渡し取引してしまうのですが、子供達は過酷な労働やサービスに奉仕させられます。法律が施行されたとはいえ未だに10代に満たない子供が置屋に”商品”として性的なサービスを強要されたり、観光地で組織的に物乞いをするよう強要されたり、未だに子供の人権が蹂躙されています。国連組織やNGOが活発にこの状況を打破しようと様々な告知活動をしているにもかかわらず政府はまだ本腰を入れて取りかかってないように見えます。

 今回の件に関して同情の余地があるとはいえ法的な罰則を女に科さないという警察のスタンスは我々日本人からすれば納得がいかないでしょう。それだけまだ人権意識に気迫で法治国家としてどんな状況でも犯罪は犯罪と認める倫理観や道徳観が警察の中でさえ育っていない状況ですので、法整備よりも少しずつでも国民の意識を成長させる必要があると思いました。